従来のバックアップ方法では、仮想マシン(VM)を保護するためにスナップショットを使用していました。バックアップの際、目的のデータのスナップショットが取られ、専用のバックアップ・ストレージに移動されます。大規模な組織では、このストレージは、拡張性とサービスレベル契約要件を満たすために強力なリソースを必要とします。スナップショットでは、システムリソースが枯渇するため、システム管理者は深夜などの使用頻度の低い時間帯にスナップショットのスケジュールを組む必要があり、データギャップは必要不可欠なものです。
スナップショットの仕組み
スナップショットは、特定の時点から仮想マシン(VM)を複製し、災害からの復旧のために複数の復旧ポイントを維持するためによく使用されます。スナップショットは、VMレベルまたはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)レベルで実行できます。
VMレベルのスナップショットはハイパーバイザーで作成され、パフォーマンスに最も大きな影響を及ぼします。VMレベルのスナップショットベースのレプリケーション・システムは通常、パフォーマンスへの影響を軽減するために、毎日または毎週、業務時間外にレプリケーションを行うように構成されています。
ストレージレベルのスナップショットは、VMレベルのスナップショットに比べてパフォーマンスへの影響は少ないものの、ストレージコントローラの処理能力を必要とし、規模が大きくなるとパフォーマンスを低下させる可能性があります。そのため、ストレージレベルのスナップショットを作成する頻度は、パフォーマンスに影響を与える可能性があるため、非常に限られています。
スナップショットのデメリット
上述したように、バックアップと保護に関して、スナップショットには主に2つの欠点があります。それは、パフォーマンスへの影響と、スナップショットが提供するリカバリポイントの粒度です。
●パフォーマンスへの影響: スナップショットの作成と使用は、本番環境のパフォーマンスに悪影響を与えるため、データを保護するためには慎重な計画とスケジューリングが必要です。この悪影響を避けるため、スナップショットは通常、数時間に1回、場合によっては24時間に1回だけ取得されます。数時間おきに取得したリストアポイントは、ダウンタイムが発生した場合、最大で24時間分のデータ損失が発生するなど、大きな影響を及ぼします。
●非粒度(細かさ): スナップショットはVM単位の一貫性のみをサポートします。つまり、アプリケーションが複数のVMで構成されている場合、スナップショットはすべてのVMで一貫性を維持することができません。このため、ダウンタイムが発生した場合、すべてのVMが異なる一貫性のない時点にリカバリされる可能性があります。
Posted in: ディザスタ・リカバリ