サーバ5台のバックアップとデスクトップ60台のモニタリング24時間体制をVeeamEssentialsで実現
会社設立 | 1980年 |
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資本金 | 7000万円 |
従業員数 | 277名(平成22年4月現在) |
売上高 | 30億7000万円(平成22年3月決算) |
事業内容 | ソフトウェア受託開発、システムソリューション導入及び保守運用、パッケージソフトの導入及び保守運用、各種コンサルティング、インターネット接続サービス |
東洋ソフトウェアエンジニアリング株式会社は
自社で行っている仮想デスクトップサービス「PCお預かりサービス」のモニタリングとお客様から運用を任されている仮想サーバのバックアップの2つの異なる用途に
「Veeam Essentials」を導入して問題解決に成功した。そこで同社の方々に話を伺いました。
VMware Essentialsをお使いのユーザへVeeam Backup& Replication、Veeam Monitor、Veeam ReporterをセットでVeeam Essentialsとして販売。
物理サーバ3台、最大6CPUソケットまで使用できるライセンスです。
仮想環境を構築したサーバ
東洋ソフトウエアエンジニアリングはソフトウエア開発事業者で、官公庁や民間企業から各種システムの開発を受託する事業で成長している。
その一方で、IT関連の多角化サービスにも力を入れ始めている。
その1つに、2009年8月に小規模事業者を対象にサービスを開始した仮想デスクトップのサービス「PCお預かりサービス」がある。
デスクトップPCを仮想化して各ユーザーに仮想マシンを割り当て、そこでOS(基本ソフト)や各種のアプリケーションを動かすという仕組みのものだが、同社はこのサービスを展開するにあたり、ESX(i)ホストと仮想化マシンの両方を効率的にモニタリング(監視)する必要性に迫られた。
サービスの立ち上げ当初は契約台数も少なかったことから、サービスの担当者が定期的に目視によるモニタリングを行っていた。
しかし、その後契約件数が伸びるに従って、モニタリングの自動化が求められるようになり、もう1つ別の用途で必要であった仮想マシンバックアップと同時に各種ソフトを探す中で2010年春にクライムの仮想化ソリューション「Veeam Essentials」を採用した。
東洋ソフトウエアエンジニアリングが「Veeam Essentials」を採用した理由は、同社がモニタリングソフトを探す中で求めた要件をすべてクリアしていたことだった。
その要件とは、
1.「仮想化したサーバのホストが正確に稼働していることが分かること」
2.「仮想化したサーバのホストの障害を検知できること」
3.「仮想化したサーバのホストの障害を知らせるアラート機能を備えていること」
の以上3点だ。
「Veeam Essentials」のVeeam Monitorではいずれの機能も備えており、同社の要求を満たすことができた。加えて、同社が実際に「Veeam Essentials」を採用する上で判断基準にしたのがフリー版の存在だ。
仮想化プロジェクト グループリーダー 原雄一郎氏
ソフトウエアの性能評価を行う上でトライアル版の存在は大きいが、この点について、同社仮想化プロジェクト グループリーダー 原雄一郎氏は、
「無料ですぐに試せるものを探していた中でVeeam Monitor、Veeam Backup & Replicationに辿り着いた。同ソフトはフリー版が用意されていて、実際に試すことができたことが購入につながった」
と経緯を話す。
東洋ソフトウエアエンジニアリングでは当初、「PCお預かりサービス」でVeeam Monitorのフリー版をモニタリングソフトとして利用していたが、ユーザーから預かるパソコン台数が増え始めたことで正規版(有料版)を本格導入することを決めた。
現在、「PCお預かりサービス」ではパソコン約60台を管理しているが、Veeam Monitorのモニタリング機能を利用して24時間体制でパソコンを監視している。
万一、パソコンに何か障害が発生すれば、すぐにメールでアラート(警報)を受け取る体制になっているが、同社システム開発本部 第二事業部 斉藤事業部長は「Veeam Monitorを導入したことで、システムの安定稼働に大きく寄与している」と導入の効果を話す。
また、「これまでに一番助かったのは外出先で、障害を知らせるアラートを受けとった時、リモートアクセスによって外出先からすぐに対応をすることができたことだ」(同)と付け加える。
サーバに比べてパソコンは稼働が不安定で様々な障害が発生しやすい。Veeam Monitorのモニタリング機能は同社のサービスにとって欠かすことができないツールとなっている様だ。
東洋ソフトウエアエンジニアリングでは、もう1つ別の用途でVeeam Backup & Replicationを活用している。
同社のユーザーから直接預かっている仮想サーバにバックアップが必要となり、1パッケージでサーバ3台まで導入できるVeeam Essentialsのライセンス権利を利用して、「PCお預かりサービス」で使っている2ライセンス以外の1ライセンスをバックアップ用途に利用している。
1パッケージを2つの違う用途で利用することができるのは、同社が導入した「Veeam Essentials」が、バックアップ、モニター、レポーターの各機能を兼ね備えているためだ。
同社の様に複数用途で「Veeam Essentials」を利用するユーザーはまだ少数派だが、今後仮想化システムのニーズが広がりを見せるに従い、同様の使い方を希望するユーザーが増えることが予想されよう。
一方、斉藤氏は利便性についても「Veeam Backup & Replication」について評価する。
例えば設定方法の仕方についてだが、
「Veeam Backup & Replicationは、バックアップの設定時間が短く、しかも簡単に行えた。そのため導入費がソフトウエア代だけで済ませることができた」
と話す。
設定方法はインターネットから専用のドキュメントをダウンロードして行うが、クライムのホームページでは、設定が分からない場合に備えてFAQをブログ形式で詳細に紹介している。
実際の操作方法が画像で紹介されており、初めてのユーザーでも容易に導入できる工夫がされている。
ソフトウエアを購入したものの、設定方法が複雑で業者の手を必要とするケースは少なくない。
導入コンサルタント費などの名目で追加出費を余儀なくされるケースもあるだけに、ユーザーが自分たちで容易に設定できる「Veeam Backup & Replication」はユーザーフレンドリーな商品と言えよう。
東洋ソフトエンジニアリング様 Veeam導入システム構成
東洋ソフトウエアエンジニアリングでは、今後も仮想デスクトップのサービスユーザーが増えれば「Veeam Monitor」、仮想サーババックアップのユーザーが増えれば「Veeam Backup & Replication」や「Veeam Essentials」のライセンスを追加購入する計画だが、「Veeam Monitor」に対する要望としては、
「アラート機能について、より細かな設定ができるようにして欲しい」(システム開発本部第二事業部 山上大陽氏)と話す。
というのもユーザーが増えれば障害対応の範囲が広くなると予想されるので、より細かい管理が必要になる。
例えば、より緊急性の高い障害が分かるようにしたり、仮想サーバ1台単位で細かくアラートが設定できるようにして欲しい」(同)と話す。
より細かいニーズに対応したサービスの提供が今後期待されよう。