『BF and CM』

ちょうど感謝祭の休暇が終わり、今後のクリスマス商戦を予想するニュースが
賑わいはじめている。
BF, CMという言葉でピンとくる人も増え始めているのではないだろうか?
BFとはBlack Friday, CMとはCyber Mondayの略
ThanksGiving(感謝祭)の休日は毎年11月の第4木曜日でその翌日がBlack Fridayと
呼ばれる。 
この日が今後のクリスマス商戦のスタート日でもあり、新聞広告が一年中で一番多く入る
日である。  ちょっとステレオタイプかもしれないが、Black Fridayのアメリカ家庭では
朝食を食べながら、新聞広告を眺めて家族がそれぞれ買い得商品を見つけながら一喜一憂。
それぞれが何を買うかを決めて、家族でショッピングにでかけて買い物してわまる。
というのが(少し前までの)一般的な過ごし方ではないだろうか。   
ショッピングモールや郊外型の大規模小売店などは早朝から店を開ける。 
また数量限定の割引商品を狙って消費者も開店何時間も前から行列を作って店のオ-プン
を待つのだ。 この行列の長さで、クリスマス商戦の景気予測がされるほどアメリカでは
大事な出来事の一つ。 
シリコンバレー内では今年はTarget, Wall Martなどは開店が早朝4時。 前日の0時の時点で
もう行列ができ始めているのがニュースで報道されていた。  
ここ数年はBlack Fridayの行列は以前ほど長くはないように感じていた。  
やっぱりシリコンバレーの住人達はネットで情報をしらべてオンラインショッピングを行う
文化が浸透し、行列も年々短くなるのだろうと思っていたのだが、今年はここ数年では
一番の賑わいだったようだ。 (やっぱり誰でも、物を買ったら直ぐに持ち帰って、
直ぐに箱から取り出してみたい?) 電化製品全般が好調だったようだ。 
薄型TV,PC、iPod, IPhone, iPodTouchなどに混ざって電子書籍も売り上げが
伸びたらしい。 iPadが読書の新しい文化を確立しつつあるということか。   
ブランドではCoach, Wii, Xbox360, PS3などゲーム機も好調のようだ。
思ったほど売れなかったものには残念ながら日本の家電メーカーが大きく力を入れている
3D TVが入ってしまったようだ。 

そしてCM,Cyber Mondayだがオンラインショッピングが大きく普及し始めた2005年くらい
から使われだした言葉。 ネットによる買い物商戦は感謝祭の週末があけた月曜日から
一気に立ち上がるということでこのように呼ばれている。 
感謝祭に旅行やレジャーにでかけた人達も、普通の生活にもどる月曜日からネットでの
買い物がスタートするし、また自宅よりも通信環境のよい職場からネットサーチして買い物
してしまう人が多いというのも影響しているようだ。 
オンラインストアなどのレポートによると、年間を通じて一番の売り上げが上がる日が
このCyber Mondayとして年々定着しつつある。   
そして今年はBFの売り上げも前年度比で9%程度伸びているのにもまして、CMの売り上げ
が前年度に比べ20%増しくらいではないかと早々に予測しているレポートも出始めている。
ネット販売のみに絞ると、BFを含めたThanksGivingWeekの4日間の売り上げをもCM
のみの一日で超えてしまう勢いだそうだ。 
販売側も、より大きなDiscountをCMに合わせて発信し、ネットショッピングを過熱化させて
いるのはもちろんなのだが、今後はBlack FridayよりもCyber Mondayのほうがより大きな
イベントとして育っていく傾向が見える。  
以前なら、地域での最低価格を保障している製品ならば、ライバル店の広告を持参すれば、
その値段まで値引きを保障して店舗に集客する方式が流行ったが、物理的移動や店舗との
交渉の労力はネットの世界では指先一つで簡単に客は最低価格を見つけてその場で商品を
注文してしまう。  
販売側も人気があるよい製品を大量に仕入れて、大きなディスカウントで一気に売りさばく
ことができる。
Cyber Mondayは双方の思惑にのって、今後も巨大化していくに違いない。 

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