日本は正月といえば、ゆっくりこたつに入り、ほろ酔い気分でTVをみたりしながら
3日くらいまで過ごすもの?だが、アメリカはクリスマス休暇が終われば、
バケーションシーズンも終わり、ニューイヤーズデイの元旦は休みとなるが
1月2日から学校も会社も通常に戻り、日本人にとってはちょっと寂しい新しい年の
スタートとなる。
Dow Jones工業平均株価は2008年の8月以来の最高値で2010年最後の
取引を終えた。
サンクスギビングやクリスマスのネット商戦の好調ぶりを見ても、
景気が回復しつつあることを、国民も実感し始めているところだろう。
ただし、業界での景気回復の格差もより鮮明になったように見える。
投資熱が再燃し、新しいビジネスモデルやテクノロジーが次々と生まれる
ITマーケット。
インターネットワールドの先端を走っていたYahooを追い越し、ここ数年は
その地位を確固としたものに築き上げてきたGoogleだが新たなライバルが
2010年後半に大きく立ちはだかってきた。 TIme誌で今年の顔に選ばれた
Mark Zuckerberg氏率いるFacebookの急成長は今年の話題のトップだろう。
日本でもソーシャルネットワークの世界ではNo1だったMixiから利用者が急速に
Facebookに移り始めている噂を聞く。
アメリカでのSNSマーケットでは圧倒的な地位を確立し、なかでも20代からTeen
までの若年層での支持は圧倒的に見える。
これらの若年層に連絡を取るにはGmailでメールを送るより、Facebookの
メッセージのほうがレスポンスが早いというのは、シリコンバレーの常識の
ひとつかも知れない。 インターネットの入り口が検索というものからSocial
Networkツールへと変わってきているのは、ネットの利用目的がそのように
シフトしているユーザー層にはきわめて自然な流れなのかも知れない。
検索エンジンもソーシャルネットワークのプラグインのひとつとして飲み込まれて
しまう日が来るかも。 働くエンジニア側にも動きが出てきている。
最近は優秀な人材も巨大企業へと成長してしまったGoogleよりも、今後のある程度
成功の確率が高いチャンスに賭けてFacebookへと流れているという話も聞く。
そしてもう一つのGoogleのライバルは共同購入サービスのGrouponだ。
Googleが提示した買収金額は5000億円をこえるという噂もあるが、それをGroupon側
は蹴ってフィデリティ・インベストメンツ、Tロウ・プライス、モルガン・スタンレー
などから1000億円程度の資金調達し、2011年末の株式公開を目指すというコメントを
年末に発表している。
現時点での5000億円相当の会社の評価額を、今後の1年で上回る企業に育てられる
可能性をCEO, Andrew Masonは信じているということになるのだろう。
ネットを通じて買い物をする人達にはGrouponから配信されるフライヤーには目が
離せないのではないだろうか。 商品件数には限りがあるものの、その高い
ディスカウントレートは驚きで、一度でも利用した人や利用者から話を聞いた人は
ネットショッピングの予定がなくとも一目置く媒体に成長したといえるだろう。
ARの世界で可能性を見出したWord LensというiPhoneアプリには驚いた。
いままでにTextを他言語に翻訳するサービスはブラウザーや翻訳アプリケーションを
通じて一般化してきたが、このiPhoneアプリはカメラを通じて現在表示している画面
上で文章を抜き取り、リアルタイムで翻訳した文章を画面上に再合成するというもの。
それはあたかも、もとから翻訳されていた言語で書かれていたものをiPhoneの
カメラを通じて画面に表示されているだけに見える。
海外旅行にでかけて、目にみえるサインや看板、またレストランのメニューから
観光地のガイドまで、iPhoneの画面を通じて自動で翻訳したものを見ることが可能だ。
製品発表した現在では英語とスペイン語の2ヶ国語しかサポートしていないが、
他言語サービスを発表するのは時間の問題だろう。
次から次へと可能性のある技術が新しいビジネスモデルを模索しながら飛び出して
くるシリコンバレー。 エンジニアリソースがインドや中国に流れていっても技術
の発信は、この地域が世界の中心になることは2011年も変わらないようだ。