日本に出張すると、アメリカの景気回復についての質問をよく受ける。
経済の各種指標からの景気動向は専門家に任せておいて、シリコンバレー
在住の我々が身の回りで感じる身近な指標について最近の動向を追って行くと。
賃貸住宅価格:
最近はレント(月の賃料)が上がっていると噂には聞いていたが調べてみて
驚いた。 SantaClaraにある築2年程度のアパートで1ベッドルームタイプで
$2000を超えているものもある。
2ベッドルームタイプにいたっては$2500を超えている部屋も。
リーマンショック以前の最高値(2ベッドタイプで$3000というところも)には
及ばないものの、それにも届きそうな勢い。
少し前までは値下げ合戦で、なんとか空き部屋をなくそうとしていたアパートを
よく見たものだったが。
シリコンバレーを縦断する高速道路101号線:
この高速道路の混雑具合も景気回復の指標のひとつだが、こいつが最近
混雑しているのである。 通勤、通学の朝晩の時間帯以外でも渋滞している
こともしばしば。 3,4年前は朝晩でもそれほど渋滞がなくなり、高速道路の
拡張や主要高速のインターチェンジがうまく繋がれたおかげと思っていたが
完全な誤解であった。
レストランの予約:
ミシュランガイドで星を取ったレストランは別としても、シリコンバレーで景気
がよくなると、一般的にビジネスディナーに向いているようなレストランの予約が
とれにくくなると言われる。 何件も連続で予約がとれないなんてことはないが、
以前に較べると満席といわれるケースもちらほら。
大統領の支持率:
アメリカでは景気回復と密接な関係があるといわれているが、70%の支持率
だったオバマ大統領は中間選挙時には40%までに低下。
ところが最近その支持率が54%までに回復したという。
アメリカ国民の多くが期待する経済支援政策が支持されていることの裏返しだろう。
ナスダック株価指標:
ハイテク株が中心のNasdaq指標を2010年1月4日を基準として、通年での
値を追っていくとほぼ順調に右肩あがりで年末には124%にまで上昇している。
ちなみに日経平均は年末の値がほぼ年始と同様で成長率は0となってしまう。
実際のナスダックの株価をみると、2011年の1月末現在で$2750前後で、
これはリーマンショック以前の2007年12月の最高値とほぼ同水準。
というわけで、シリコンバレーの身の回りをみると、アメリカ経済は完全に
上向きにはいっていることを感じる昨今である。