『サブレット』

日本ではサブレットという単語はあまり使われていないかも知れない。 
アメリカでは昔から、使われていてとりわけ学生などの頃にお世話になった人も多い、
部屋の短期間貸しサービスのこと。 
自分の部屋や家を、自分がいない間に他の人に貸し出すことで、期間も一日、二日と
いうものから数ヶ月といろいろ。
特に学生などは学校が長期の休みに入れば、実家にもどったり、旅に出たりする間の
自分の部屋を他の人に利用してもらうことで、家賃の補助にもなる。
また借りる側からすればホテルよりも安く、広い生活空間がある宿泊先を見つけられる
というだけでなく、全ての生活用品が揃っているので、食事を作ったり、洗濯をしたりを
滞在先でも気軽に行うことができる。 

昔は掲示板や新聞広告などで見つけたものだが、昨今はCraig’sListのようなインターネット
掲示板を経て、現在は専門のサイトが立ち上がっている。  
なかでも注目されているのがAirbnbだ。2008年にSan Franciscoでスタートした同社は
2010年度には800%の急成長を達成、今年にはAirbnbを通じて仲介したサブレットの
トータル宿泊数が100万泊を突破した。 

希望している宿泊地と希望日程を入力すれば、全米の主な都市ならば簡単に何十件
(都市によっては百件以上)ものサブレット候補が、ブラウザー上に現れる。 
各サブレットの値段はもちろん、部屋の写真、家電やインタネット接続情報などが現れて、
自身の希望の値段のサブレットを希望の地域に見つけることができる。 
個々のサブレットオーナーとメッセージをやりとりして、詳細なサブレットや周辺の情報を
得たり、サブレットのルールの確認や条件の交渉(チェックイン、チェックアウト時間の
リクエストなど)も可能だ。
あとは気に入った物件の予約ボタンを押せば、サブレットオーナーにコンタクトが行き、
オーナーが承認すれば契約プロセススタート。
   
借り手側はクレジットカードやPaypalなどを使って貸し手が掲げているサブレット料金+
Airbnbの利用料金を加えたものをオンラインで決済して手続き完了。 
料金が借し手側に届いた時点で、貸し手と借り手にAirbnbからお互いのコンタクト情報と
サブレットの正確な住所が届いて、あとは貸し手と借り手でというのがサービスの基本的
なプロセスだ。   
サブレットはもともとは個人が借りているか所有している住宅なので、固体差が大きい
とはいえ、同じ地域内のホテルなどと比較しても大きく安い値段で宿泊場所を確保できる。 
以前ならば、貸し手と借り手が直接コンタウトして金銭のやりとりを含む面倒な作業を
すべてAirbnbのサービスを使えばネット上で完了できる。 

ところがこのサービスを使った犯罪も起きてしまった。
今年6月にAirbnbで契約されたサブレット物件で契約期間終了後に貸し手が自宅に戻った
際に、住宅の中の電化製品、家具などが壊されて、貴金属類が紛失しているのを発見。  
当初Airbnbは事故に関しての責任の所在は貸し手と借り手にあるとしていたが、その後に
サービスとして、借り手の住宅と住宅内の所有物に対して$50000の保険をオプションとした。 
また24時間のホットラインサービスも8月に設置し、会員からの質問、クレームに対処できる
体制をスタートした。 

現在の登録会員はアメリカのみならず180カ国、10000都市に広がり、サブレット物件も
アパートや個人の住宅だけでなく、リゾートにあるバケーションレンタルなども
多く含まれているAirbnb。  
次の旅行先にどんなサブレットがあるのか調べてみても面白いかも知れない。 

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