『アメリカ不況どこへやら』シリコンバレーIT現地情報 2011.12号


今年もThanksGivingがやってきた。 

そして、ThanksGivingでターキーを食べた翌日には、Black FridayといわれるAfter Thanks Giving Saleがスタートする。 年々開店時間が早まる傾向にあったものの、昨年は早朝4時、5時オープンだった店舗が競って、今年は深夜0時にオープンという。  

シリコンバレーを代表するハイテク家電製品のチェーン店のひとつ、Fry’s Electronicsに出かけることにした。事前に広告を見ていたが、ThanksGivingのセール品と割引率は本当に驚くものばかりだ。Intel iCore3, 5が使われている、メインメモリ6G, 8GのPCが$300~$500。大型TVにいたっては、70インチのLED-TVが$1400。Android Tablet が$80!!  5,6ページのThanksGiving向け広告をみているだけで、思わず声がでてしまう。 

午後11時過ぎのニュースでは、バレー内の有名小売店にできた行列にならぶ人々が放送されていた。  列の先頭付近の気がはやい人たちは広告をにぎりしめて、ThanksGivingの夕食も早々にすませて木曜日の夕方くらいから並んでいたそうだ。
 
我々はちょっとスタートが遅れ、Palo AltoのFry’sに到着したのがちょうど1時過ぎ。 開店から1時間たっていた。 行列が長ければ、店内にも入れないのではと心配していたが、あっさりと入店できた。さっそく、気になっていたPCを探しにいくも、広告の品はすべて売り切れていた。 

きけば、広告にのせていたPCは、この店ではそれぞれ75台づつ用意していたそうだが、開店まもなくすべてが完売だったそうだ。それならば、70インチの大型TVは? さすがにTVは人気商品で、TVの展示コーナーに入るにも開店1時間後でも行列ができていた。行列の両側にはThanksGivingの特別セール品でないにもかかわらず、50インチ前後のサイズのTVはほとんどが$1000以下の値札とともに飾られている。 2nd Brandのもののなかには$600を切る値段のものも。  
 
そしていよいよFry’sの目玉商品のLEDTVが現れる。広告にはFamounsBrandと書かれていたが、実物はSharpのAquosだった。 展示されていたのは80インチのもの! 残念ながら70インチ$1400とでていた広告のモデルは完売してしまったそうである。もともとの値段が$4569のものなので、ほぼ70%ディスカウントということになる。ThanksGivingからChristmasにかけての5週間で年間の売り上げの40%+が売れてしまうという世界最大の北米マーケットだが、そのなかで日本のFamousBlandがこんなに安くに売られている。光景は、これらの設計、製造にかかわっている人達には信じられないものだろう。 

そして、この買い物パワーはThanksGiving明けの月曜日、オンラインショッピングのお祭りCyberMonday
へと続いていくのだ。   
月曜日の夜のニュースでは今年のThanksGiving, CyberMondayの売り上げ結果が報道されていた。 
小売店での売上高は前年度比16.4%増。 オンラインショッピングにいたっては、26%増という結果だそうだ。 
ThanksGivingの売り上げトータルとしては、過去最高を更新だそうだ。 
アメリカの不況報道もあるようだが、シリコンバレーでThanksGivingを体験している限り、不況のサインは
見えないようだ。 

by HiroM

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