Veeamによるランサムウェア対策機能
書き換え不能なバックアップ
Linuxのリポジトリ(保存先)をイミュータブル(Immutable)なストレージとして利用可能です。イミュータブルとは作成したファイルを変更、削除できない状態を指し、これによってランサムウェア等によるバックアップファイルの暗号化や削除を防ぎます。
- 使い捨ての認証情報を使用し、Veeamに認証情報を保存しない
- 導入時とアップデート時のみSSHを使用
- Linuxリポジトリのみ使用可能
- 永久増分バックアップモードは使用不可
参考:Immutable(不変的)なバックアップでランサムウェアから防御を!!「Hardened Repository(堅牢化リポジトリ)」の実践
Windowsリポジトリでランサムウェア対策するならBlocky for Veeam ≫
クラウドへのアーカイブ
ローカルへ取得したバックアップをクラウドのオブジェクトストレージへアーカイブすることが可能です。ローカル環境とエアギャップのあるクラウドへバックアップをアーカイブすることによって、ランサムウェアに感染してもクラウドのバックアップから復旧が可能です。また、Amazon S3(互換)であれば、S3オブジェクトロックによるイミュータブル(Immutable)ストレージを利用して、バックアップを変更不可な状態で保存することができます。
- Amazon S3
- Azure Blob Storage
- Google Cloud Storage
- IBM Cloud Obeject Storage
- Wasabi hot cloud storage
- S3互換ストレージ
参考:Veeamによるクラウド(オブジェクトストレージ)へのアーカイブ
テープへのアーカイブ
ストレージに取得したバックアップを二次バックアップとしてテープに保存することが可能です。さらにこのテープを物理的に異なる拠点に保管することで、運用環境に問題があってもテープのバックアップから復旧ができます。
隔離環境でのリストア検証
ネットワーク的に隔離された環境で実際にVMを起動させることでバックアップの健全性を事前に確認することが可能です。任意のタイミングで実行することも可能ですが、バックアップ終了後に自動で検証を開始することもできます。このときにウィルススキャンの実行によって感染の有無を確認したり、任意のスクリプトを実行することによってVM上のサービスやアプリケーションの動作確認も可能です。
※VMware/Hyper-V環境のみ対応
セキュアリストア -ウイルススキャン-
仮想マシンを本番環境へリストアする前に、アンチウィルスソフトによってバックアップファイルをスキャンすることができます。これにより、コンピューターレベルのウィルスやランサムウェアなどのマルウェアを実際にリストアする前に検出することができます。
マルウェアを検出した場合には、リストアを取りやめるか、ネットワークアダプタを無効にしてリストアを実施することができます。
- Symantec Protection Engine
- ESET
- Windows Defender
- Kaspersky Security 10 ※Windows OSのリストアのみ対応
Veeam ONEによる監視
仮想環境のモニタリングツールであるVeeam ONEによる仮想マシン等の監視はランサムウェアの事前検知に役立ちます。CPUやメモリ、ネットワーク、ディスクI/Oの不自然な高騰をアラートやレポートで検知し、ランサムウェア感染の疑いがある仮想マシンを発見します。
ランサムウェア機能比較
●:対応 ▲:部分的に対応 ✖:未対応機能 | Veeam | A社 | B社 | C社 | D社 | E社 |
---|---|---|---|---|---|---|
ストレージに依存しないソフトウェア定義されたバックアップの不変性 | ● | ▲ | ● | ▲ | ▲ | ▲ |
オブジェクトストレージによるバックアップコピーとアーカイブの不変性 | ● | ● | ● | × | ● | ● |
エアギャップのあるバックアップ | ● | ▲ | ● | ● | ▲ | ● |
時間ベースのバックアップの保持ロック | ● | ● | ● | ● | ▲ | ● |
コンソールアクセスのMFA | ▲ | ● | ● | ▲ | ● | ● |
バックアップデータのランサムウェアスキャン | ● | ● | × | ▲ | ● | × |
復旧前のランサムウェアチェック | ● | ▲ | × | ▲ | × | ▲ |
潜在的なランサムウェア活動のほぼリアルタイムなアラート | ● | × | ● | ● | × | ● |