Zerto 8.5では新たに、Zerto Data Protection(ZDP)というライセンスが追加されました。このライセンスは、レプリケーションとしてはあくまで一つのサイト内でのみ使用できるローカルDR機能と、長期間保持(Long-Term Retention)用のバックアップ機能をご利用いただけるものです。
サイト間のレプリケーションが行える通常のライセンス(ECE) と組み合わせてご利用いただくことも可能であり、Tier 1のミッションクリティカルなシステム、仮想マシンに関してはECEライセンスを使用、異なるサイトで即座にフェイルオーバーを行えるように構成し、バックアップ/リストアのみで問題ないシステム、仮想マシンに関してはZDPライセンスを使用、コストの最適化を行えます。
レプリケーションされた複製データでは30日間のジャーナル履歴しか保持できないため、年次や月次といった長期間の保管には不向きです。このため、Zertoでは長期間保持(Long-Term Retention)用のバックアップ機能を用意しています。
そしてこのバックアップ保存先として8.5では新たにAmazon S3とAzure Blob Storageに対応しました。これにより、オンプレとDRサイトでのレプリケーションに加えて、クラウドでのデータアーカイブといった構成も簡単に実施いただけます。
オリジナルVM上にファイル、フォルダをリストアする場合、8.0ではZertoのWeb UIからリストアを実施し、ダウンロードしたものを移動する必要がありました。8.5ではこのような手間のかかる方法ではなく、オリジナルVMへ直接、ファイル、フォルダをリストアできます。
パブリッククラウド上で提供されるVMware環境として、Oracle Cloud VMware Solution、Google Cloud VMware Engineに加えて 、Zerto 8.5では 新たに Azure VMware Solution をサポートしました。
レプリケーションの実処理を担当するVRAは、各ハイパーバイザホストに配置する必要があります。大規模な環境ですとこれらの管理が手間になってきますが、8.5では自動化機能により、大幅に簡単化できます。クラスタ単位で、利用できるIPアドレスの範囲を事前設定しておくことで、そのクラスタへのVRA一括配置や、追加されたハイパーバイザへのVRA自動配置が可能となります。
加えてレプリケーション先のターゲットホスト(リカバリホスト)をメンテナンスモードに変更する際に従来ではVPG(レプリケーション設定)を手動変更する必要がありましたが、これも自動で変更するように構成できます。
既存のZerto PowerShellに追加されるモジュールであり、以下のような機能で自動化を支援します。