複製されたデータはジャーナル履歴により数秒間隔のチェックポイントを最長30日間、保持しています。これにより障害の直前から任意のタイミングまで巻き戻して復旧可能です。
バーチャルレプリケーショングループ(VPG)ごとにレプリケーションを実施します。これによる仮想マシン、論理ユニットの整合性を保ち、アプリケーションを完全に保護可能です。VPGごとに優先順位、RPOを設定できますのでポリシーに合わせて柔軟にレプリケーションを構成できます。
1台のVMを同サイト内や複数サイトに同時にレプリケーションが可能です。これには当然、異なるハイパーバイザ間(VMware vSphere/ Microsoft Hyper-V)やパブリッククラウド(AWS/ Azure)へのレプリケーションも含まれます。この機能は言い換えると一つのVMを複数のVPG(仮想保護グループ)に登録可能であるということであり、ジャーナル保持履歴とSLAに最大限の柔軟性を提供します。またこの機能による、保護対象VMのパフォーマンスやRPOのパフォーマンスに影響はありません。
Zertoでは運用サイトからフェイルオーバーにより起動した復旧サイト上の複製VMを、その後どのように扱うかといった際のオプションが豊富に用意されています。フェイルオーバー後に運用サイトが利用可能な状態に復旧した場合には、フェイルオーバー前の元々のレプリケーションが実施されていた状態に切り戻し、復旧サイトでそのまま複製VMを運用VMとして利用する場合にはコミット、またこの際に復旧サイトが利用できるのであれば逆方向のレプリケーションを自動的に作成するリバースプロテクションを実施できます。また移行用に運用VMを自動的にシャットダウン後の最新の状態でフェイルオーバーするムーブオプション、事前作成したテスト用の設定(ネットワーク等)で複製VMを起動するテスト・フェイルオーバーオプションも用意されています。
ジャーナル履歴上にある最長30日間、数秒間隔のチェックポイントから任意の時点のWindows/Linux ゲストOSのファイルをリストア可能です。また、オリジナルVM上への直接リストアにも対応しています。
Zertoではジャーナル保持期間以上の長期保管用途として、Long Term Retention機能を搭載しております。複製したVMのデータから週次、月次といった単位で長期保管用のバックアップを作成するので、運用環境への負荷なしに世代要件を満たすことができます。この長期保管は増分バックアップとして世代保存されるため、ストレージ使用量を抑えたデータ保護を実現できます。
Zerto Data Protection(ZDP)ライセンスでは、レプリケーションとしてはあくまで一つのサイト内でのみ使用できるローカルDR機能と、長期間保持(Long-Term Retention)用のバックアップ機能をご利用いただけます。サイト間のレプリケーションが行える通常のライセンス(ECE) と組み合わせてご利用いただくことも可能であり、Tier 1のミッションクリティカルなシステム、仮想マシンに関してはECEライセンスを使用、異なるサイトで即座にフェイルオーバーを行えるように構成し、バックアップ/リストアのみで問題ないシステム、仮想マシンに関してはZDPライセンスを使用というようにコストの最適化を行えます。
レプリケーション処理を担当するVRAは、各ハイパーバイザホストに配置する必要があります。大規模な環境ですとこれらの管理が手間になってきますが、自動化機能により大幅に簡単化できます。クラスタ単位で利用できるIPアドレスの範囲を事前設定しておくことで、そのクラスタへのVRA一括配置や、追加されたハイパーバイザホストへのVRA自動配置が可能です。加えてレプリケーション先のターゲットホスト(リカバリホスト)をメンテナンスモードに変更する際に従来ではVPG(レプリケーション設定)を手動変更する必要がありましたが、これも自動で変更するように構成できます。
Zertoの管理マシンであるZerto Virtual Manager(ZVM)から収集した保護対象環境の統計情報を基にした開発元ポータルサイトへブラウザやモバイルデバイス(Android /iOS専用アプリ)でアクセスし、VPGによるレプリケーション状況やリソースプランナーを確認できます。リソースプランナーではWhat-if シナリオ分析により、保護対象とするVMをレプリケーションするためにDRサイトで必要となるコンピューティング、ストレージ、およびネットワークリソースを予測することができ、POC時のサイジングやレプリケーション対象となるVMを増やす際の目安として活用いただけます。全てのデータは、開発元Zertoの暗号化されたクラウドサービスとバックエンドのデータベースに格納され、インターネットを介してHTTPS TLS 1.2で暗号化され送信されます。