DBMotoにより海外拠点とのデータ連携を実現。
ワールドワイドレベルでの在庫管理の一元化を達成。
商号 | MUTOHホールディングス株式会社 |
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設立 | 1952年3月5日 |
資本金 | 101億99百万円 |
事業内容 | グループ会社の経営管理、グループ資産管理、その他 |
大判インクジェットプリンタの開発・製造・販売等でグローバルにビジネスを展開している『MUTOHホールディングス』。近年はお客様への迅速な製品提供と在庫最適化の両立を強化すべく、販売予測の精度アップ・生産の平準化・過剰在庫の撲滅に力を入れてきた。今回はその一環として、グループのITを一手に担う連結子会社ムトーアイテックスと連携して、DBMotoを使った各海外拠点における在庫の一元管理を実現した。ここでは、取締役の竹田晶信氏にグループとしての事業戦略や今後の展望を伺うと共に、技術担当者に導入にあたっての課題や導入後の効果を聞く。
-MUTOHホールディングス/竹田取締役-
MUTOHグループは、海外での売り上げが7割を占めるグローバル企業です。グループの中核企業である武藤工業は、日本初の設計製図機器「ドラフター」を生みだした業界のパイオニア的存在。MADE IN JAPANとしての技術力を強みに、現在ではムトーベルギー、ムトーアメリカ等計12の海外販社に大判インクジェットプリンタやインクなどのサプライ品を提供しています。
近年はよりスピーディ且つ効率的にお客様に当社製品をお届けし、一方で販売予測の精度を上げることで生産を平準化し、コストダウンや在庫の適正化といった経営の効率化に力を注いでいます。今回の海外販社とのDB連携も、そうした流れの中から生まれたものです。海外販社で管理している在庫データを一元管理することで、国別、地域別に強い製品、弱い製品を細かく分析し、各販社ごとの販売傾向や特徴を明確にして市場競争力を持たせます。もちろん、回転率の悪い製品に関しては是正するための戦略も練って行きます。今回まずは、海外販社の中で最も高い売り上げを誇るムトーベルギーとムトーアメリカの二社のデータを一元管理することができました。システム開発は、グループのIT戦略の主軸となるムトーアイテックスが担当しました。
-ムトーアイテックス担当者-
海外拠点とDBを連携するにあたっては、拠点ごとにDBの種類が異なることが大きな課題となりました。OracleやSQL Serverといった標準的なDBだけでなく、拠点によってはDB2を採用しているところもあり、レプリケーションを実施するためにはマルチデータベースに対応している製品の導入が不可欠でした。DBMotoも、DB2をはじめマルチデータベースに対応していることが導入の決め手となりました。
実際にこのプロジェクトがスタートしてから準備に7か月かかりましたが、ほとんどの時間を海外での基盤整備に費やし、DBMotoの導入はほとんど問題なく進みました。エージェントレスな上に、メニューも豊富で必要なレプリケーションはほとんど標準サービスで対応。DBMotoがなかったら、SQLで海外のDBから必要なデータを抽出して日本側に取り込む必要があります。そうしたシステムをDBの種類ごとに開発することを考えると、DBMotoにより開発工期もコストも大幅に削減できました。
初期フェーズでは、日本と海外を結ぶVPNを活用して月に1回、データのレプリケーションを行っていましたが、少しずつ同期頻度を高め、様々な課題を洗い出していき、現在ではリアルタイムな連携が行えています。リアルタイムなデータ連携の実現により、海外拠点のデータの一元化も達成できました。
導入時には海外製品ということで、使い勝手や機能強化に関して国内メーカーとは異なる姿勢なのではという不安もありましたが、実際には完全にローカライズされており、GUIも日本語でなんの違和感もありません。導入前にクライム本社でデモを見ながら疑問点を解消できるなど、サポート面でも問題はありませんでした。
中央にMUTOHホールディングス取締役 竹田様、
両隣にムトーアイテックスの技術担当者様
-MUTOHホールディングス/竹田取締役-
米国で開催された世界最大規模のサイン・ディスプレイショー2015 SGIA Expoにて当社製品の「VJ-2638X」と「VJ-1617H」の二機種が“PRODUCT OF THE YEAR”を受賞し、ValueJetシリーズでは4年連続受賞の快挙を達成、さらにドイツで開催された展示会Viscom Dusseldorf 2015では“Best of Award2015 Indoor Air Comfort Certificate”を受賞し、環境意識の高い欧州において当社の環境に配慮したものづくりの功績が高く評価されました。また、多種多様な繊維へのプリントを可能にし、色彩の再現性やデザインの自由度を飛躍的に向上させた捺染用プリンタの展開などにより、MUTOHへの注目度はこれまで以上に高まっています。これらの期待に応えるためにも、World Wideレベルでお客様の需要にマッチした製品や部品をタイムリーに供給できる体制整備や、生産の平準化、在庫の適正化などによりコストダウンをこれまで以上に推進する必要があります。全ての販社の在庫管理の一元化を実現し、蓄積されたデータを基に、各国別、地域別にお客様の需要に十分応えられるような製品供給、新たなものづくりへと着実に反映してまいります。